聞き手・上野創
10代後半から登山家として活躍し、20代後半にはアウトドアブランドを立ち上げたモンベル会長の辰野勇さん(75)。全身で自然を楽しむ愛好家であり、ニーズを受け止めながら商品を世に出していく経営者でもある辰野さんに、今に続く若い時からの考えと、現代の若者へのメッセージをうかがいました。
大学へは行かない道を選択
10代から登山に夢中でした。
戦後の重い空気が残る中、1956年に日本人がネパールのマナスルに登頂を果たして登山が熱狂的なブームに。山男のかっこ良さに、私も憧れました。
高校1年のとき、ハインリッヒ・ハラーの登攀(とうはん)記「白い蜘蛛(くも)」を読み、自分もスイスのアイガー北壁に挑むと決意。本格的にのめり込みました。経験を重ね、21歳で北壁の登頂に成功。当時、最年少でした。
実は、実績を重ねていた京都…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル